Google App Engineを辞めた

約1年前にGAEを使って立ち上げたこのサイトですが、今回のGAEの料金体系の変更によって無料クオータの限界を超える日が存在することが分かったため、GAEを辞めて既に契約しているVPSに移動することにしました。

最初に無料クオータの限界に達していたリソースは、Frontend Instance HoursとDatastore Readsの2つでした。
この2つのリソースの多く消費していたのが、全ポケモンJSONデータを生成していた箇所だったのですが、生成したJSONをmemcacheだけでなくデータストアにもキャッシュするようにコードを修正したところ、多数のデータストアの読み込みが1回に集約されたためDatastore Readsが減り、かつ遅延も小さくなったため余計なインスタンスが立ち上がることが少なくなりFrontend Instance Hoursも無料クオータに収めることができました。

ところが、今度はデータストア上のキャッシュが原因でSmall Datastore Operationsが無料クオータ限界付近まで増えてしまい、もはやJSONデータを静的ファイルとして予め用意しておいてデータストアの読み込み自体を無くす以外に、無料クオータ内に収める方法がなくなってしまいました。

幸い、GAEを辞めることを見越して別のデプロイ方法を考えていたので、移行はそれなりにスムーズに完了しました。

GAEは当初月間500万PV相当まで無料という売り文句でしたが、CPU時間の方は速いレスポンスを返す工夫とMin Pending Latency等の設定次第で新料金体系でもそれなりになんとかなりそうですが、データストアの方はかなり工夫して作っても、新料金体系下では500万よりも遥かに少ないPVで無料クオータの限界に達してしまうという印象です。

GAEの魅力はGoogleのインフラを使ってアプリケーション開発ができることでしたが、無料で運用されていたアプリにはもともと自動スケールは必要なく、無料であることを選択の理由にしていたアプリ・開発者にとって、GAEはもはや魅力的なプラットフォームでは無いと思われます。
(まあ、無料であることが持続可能であるわけがないので、当然ですが。)